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ユニクロと無印良品。2つのブランドは、どこが違うのか。
优衣库和无印良品,两个品牌的不同之处在于?
■「環境や人にやさしい」ファッションの人気
■“对环境和人都很友好”的时尚受欢迎程度
近ごろ、消費者の意識の高まりとともに、エシカルファッションが一般に浸透するようになった。エシカルファッションとは、狭義では「良識に基づいて生産、流通されているファッション」を指し、エシカル消費とは、そういったアイテムを選択し、消費することを意味する。
近年,随着消费者意识的提高,道德时尚(Ethical Fashion)观念也逐渐深入人心。道德时尚,狭义上是指“考虑环境因素生产出来的,在市场中流通的时尚”,道德消费就是选择这类商品(例如有机食品、环保材料制成的衣服等)进行消费的行为。
とはいえ、消費者庁が2017年にまとめた意識調査によると、「『エシカル(倫理的)消費』『エシカル』という言葉を知っているか」という問いに対して、知っていると回答したのは10.4%にすぎない。この時点では、まだ言葉の認知度は低かったのだ。
然而,根据消费者厅2017年的消费意识调查结果,当被问到“你是否知道‘道德消费’‘道德’这些词语吗”,回答知道的人仅10.4%。由此可见,当时这些词语的社会认知度还不太高。
しかしながら、「エシカルな商品・サービスの提供が企業イメージの向上につながるかどうか」については、65.2%が「そう思う」「どちらかというとそう思う」と前向きに評価すると答えている。
但是,在“提供道德商品・服务是否有利于提高企业形象”这一问题上,65.2%的人回答“我认为是有利于的”“非要选一个答案的话,我认为是有利于的”。
さらに、2019年に入ってからはファッション誌でもエシカル消費を積極的に取り上げるようになった。『CLASSY.(クラッシィ)』2019年2月号では、「自分だけじゃなくて、世の中にもいいものを選びたいからこれからはオシャレも『エシカル』の時代です」と題して、「“環境や人にやさしい”をコンセプトにした新しいファッション」である「エシカルファッション」が特集されている。また、同時期の『ヴァンサンカン』(2019年2月号)でも、ラグジュアリーでなく、ラブジュアリーをテーマに「地球LOVEなエシカルファッション」が紹介されているのだ。
进入2019年,时尚杂志也开始积极报道道德消费了。《CLASSY.》2019年2月刊以“不仅自己,全社会都想买到好物,因此今后将是一个时尚且‘道德’的时代”为主题,对“以‘对环境与人类都很友好’的理念创造出的新时尚”——“道德时尚”进行了专题报道。而且在同期发行的《25ans》(2019年2月刊)中,不是luxury(奢侈品),而是以Lovexury为主题对“包含地球爱的道德时尚产品”进行了一番介绍。
■ユニクロと無印良品は何が違うのか
■优衣库和无印良品有何区别
こうして、エシカルな「くらし」の時代に最も相応(ふさわ)しく、最も正しい選択肢となったのがユニクロが掲げる「ライフウェア」である。画期的な機能性と普遍的なデザイン性を組み合わせた「ライフウェア」は服のかたちをしているが、もはや服ではないのかもしれない。なぜなら「ライフウェア」はすでに服であることを超えているからだ。新たな価値観をつくり、ライフスタイルを示すものであるからだ。それは「エシカル」なライフスタイルという記号ではないだろうか。
如此一来,与道德的“生活”的时代最相称,最正确的选择则非优衣库推出的新品类“LifeWear”莫属了。兼具划时代的功能性和简单设计性的“LifeWear”虽然外形与衣服无异,但或许早就不是一件简单的衣服了。究其原因,这是因为“LifeWear”已经超出了衣服的领域,是一种打造新价值观,彰显个人生活方式的物品。它是“道德”的生活方式的一种表现形式。
ユニクロは、服を売っているのではない。ユニクロが売ろうとするのは、「くらし」である。ユニクロは服を通して、「くらし」を売っているのだ。だからこそ、ユニクロは今の私たちに不可欠なものとなったのである。
优衣库销售的不是衣服,而是“生活”。优衣库是在借助服饰,销售“生活”。这就是优衣库成为我们现在不可缺少的物品的原因。
では、ユニクロと同じように、世紀に入ってポピュラーになった無印良品はどうなのか。無印良品も、シンプルな服を売り、ライフスタイルを示しているのではないか。
那么,和优衣库一样,进入新世纪后开始流行开来的无印良品是怎样的呢?无印良品不也是销售础服饰,展现生活方式吗?。
確かに、無印良品も一見ユニクロと重なるようなシンプルな服をつくり続けている。運営会社である良品計画のウェブサイトにはこう記されている。
确实,一眼看上去,一直以来,无印良品销售的简单基础款,许多都与优衣库类似。其运营公司良品计划的官网上写道:
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「わけあって、安い」をキャッチフレーズとし、安くて良い品として開発された無印良品。1980年、良品計画の母体である西友の自社開発の経験を基にノーブランドの商品発想でつくられました。商品開発の基本は、生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくること。そのために、素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略にしました。この方針が時代の美意識に合い、シンプルで美しい商品が長く愛されてきました。
无印良品以“合理的,便宜”为广告宣传语,便宜质量佳。1980年,基于良品计划的前身・西友公司的开发经验,创造出了无商标化品牌的想法。商品开发的基础理念是用真正必要的形式制作出生活必需品。为此,我们重新筛选材料,简化了生产过程和产品包装。该方针契合时代的审美观念,简单美观的商品始终不过时。
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■「ノーブランド」のブランド化に成功した
■“无商标”的品牌化大获成功
ここでも述べられているように、無印良品は、もともと西友のプライベートブランドとして1980年に誕生した。素材のよさと限りなくシンプルであることを追求し、80年代の個性を競うDCブランド全盛時代に、そのアンチテーゼとしての地位を確立していく。
正如前文所述,无印良品原本是西友公司于1980年开发出的自有品牌。除优质材料外,它还追求简单,在那个比拼个性,DC品牌盛行的80年代,逐渐确立了一定的地位。
通常のブランドが差異化のために、「個性」を足し算することで成り立つのなら無印良品は「引き算のブランド」だ。何もかもを引き算することで、逆に差異化に成功したのである。
一般而言,品牌普遍会使用加法,通过增加“个性”达到实现品牌差异化的目的,但无印良品却反其道而行,减去了一切元素,反而成功地实现了品牌差异化。
シンプルな服の流行とともに、無印良品もユニクロ同様、ポピュラリティを獲得していく。それは、DCブランドの「個性」やインポートブランドの過剰な「記号」に疲れた人々にとって、印のないことが癒やしとなったためであろう。
随着简单服饰潮流的出现,无印良品和优衣库一样,越来越受到人们的欢迎。对于对DC品牌的“个性”及进口品牌过多的“记号”已经产生审美疲劳的人们而言,它们的商品没有任何“记号”这一点应该十分令人满意吧。
無印良品も人々の関心が衣から食住へ、ファッションからライフスタイルへと移り変わるにつれて、取り扱う商品を広げてきた。食品、化粧品、雑貨、家電、家具、家。現在では、買えないものがないほど、ライフスタイル全般にわたってあらゆる商品を取り揃(そろ)えている。
随着人们关注的重点从服饰转移到了吃住,从时尚转移到了生活方式,无印良品也逐渐扩大了商品经营范围。从食品,化妆品,杂货,到家电,家具,房屋。现在无印良品的经营范围已经扩大到生活中所需的所有品类,在这里你几乎能买到所有东西。
■くらしをより訴求するため、カフェもオープン
■为了进一步刺激生活需求,开张了咖啡店
それだけに、無印良品は早くから、単なる店舗を超えた空間をつくり出すことにも力を注いでいる。2001年に旗艦店としてオープンした有楽町店の一角にカフェスペース「Cafe MUJI」を設置し、「素の食」をテーマに身体によい食材を使ったメニューを提供してきた。2007年には、初の飲食単独店舗である「Cafe&Meal MUJI 日比谷」をオープンしている。
正因如此,无印良品从很早开始,就花精力在制作出超出店铺的空间上。2001年,在乐町旗舰店的一角,设置了咖啡角“Cafe MUJI”,店内菜单以素食为主题,提供对身体有益健康的食材。2007年,无印良品又开设了旗下首家只卖饮食产品的店铺——“Cafe&Meal MUJI 日比谷”店。
無印良品の「Cafe&Meal MUJI」は、「『素の食』はおいしい」をコンセプトに季節の素材をたっぷりと使い、化学調味料は最小限に抑え、保存料はいっさい使用しません。
无印良品的“Cafe&Meal MUJI”以“素食很美味”为制作理念,大量使用当季食材,减少使用化学调味料,不使用任何防腐剂。
このように、健康や環境に配慮したカフェを通して、無印良品の食を提案し続けている。
像这样,借助充分考虑了健康和环境的咖啡角,无印良品一直在持续对“食”提出新想法。
■ユニクロが「究極の服」になれた理由
■优衣库成为“究极服饰”的原因
また、無印良品はブックカフェブームに先駆けて「本」にも注目し、本のある空間「MUJI BOOKS」を2015年から展開し始めた。厳選された店舗に、衣類、家具、雑貨、食品などと地続きに無印良品が提案する本が置かれている。そこでは、「知の巨人」松岡正剛監修の下、「くらしのさ(冊)し(食)す(素材)せ(生活)そ(装い)」というテーマに沿って、本が分類されているのだ。MUJI BOOKSでは、本と生活用品を一つの空間に同居させることで、「本と暮らす」生活を提案しているのである。
另外,无印良品作为书咖店潮流的先驱而备受关注,它在2015年就开始在店内打造了书的空间“MUJI BOOKS”。在严选的店铺里,继服饰,家具,杂货,食品之后,又在店内摆放了无印良品推荐的书籍。在“知识巨人”松冈正刚主编的帮助下,按照“sa si su se so(分别指代生活中的书,吃,食材,生活,装束)”的主题对书进行了分类。MUJI BOOKS让书和生活用品同处于同一空间,提倡“和书生活”的生活方式。
このように、無印良品はあらゆる商品を使って「MUJIなくらし」を提案している。つまり、衣食住のすべてを無印良品の哲学に基づいてブランド化することで、「MUJIなくらし」を売っているのである。
总而言之,无印良品就是在通过各类商品提倡“MUJI式生活”。也就是说,无印良品基于无印良品的哲学,将衣食住的所有商品进行品牌化,从而把“MUJI式生活”贩卖给大众。
だが、ユニクロは違う。ユニクロは「ユニクロなくらし」を売っているのではない。「ていねいなくらし」を売っているのだ。しかも、「服」によって。
但是,优衣库却不是如此。优衣库并销售的并非“优衣库式生活”,而是“简单的幸福生活”。并且,是通过“衣服”,而非其他商品。
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」のがユニクロのステートメントである。初めに服ありきなのである。そこが、無印良品との最大の違いであり、ユニクロが究極の服になれたゆえんではないだろうか。
“改变服饰,改变常识,改变世界”是优衣库的标语。这正是优衣库与无印良品最大的区别,同时也是优衣库成为“究极服饰”的原因。